農業体験は体育祭のような装い
- 2019.11.14
- written by 山本 卓
ピッピー!
ホイッスルの号令で、整列をする学生たち。

すぐポン太「あれ、僕ずれてるかな? いやこれくらいかな? 」
先生「はい! そこ、はみ出してるぞ! ちゃんと前を見てそろえなさい! 」
体育祭の時、整列しているみんなからはみ出していてよく怒られたものです。
そんな懐かしい記憶が思い出されたのは、農業体験中のことでした。
ニンジンの間引きを体験!

田舎暮らしを体験するために、地域の編集者候補たちと一緒に農作業のお手伝いをしているときのこと。
指一本分ぐらいの間隔でニンジンの苗を間引く作業をさせていただくことになりました。
大きい子もいれば小さい子もいる。列からはみ出している子もいるなぁ。
これって、体育祭の時の整列みたいだ!
懐かしい記憶を思い出しながら……。
すぐポン太「どこから手を付ければいいのですか?」
そもそも間引くってなに?
調べてみると、野菜が大きく育つために増えすぎた苗を抜き取って、残した苗に栄養分がたっぷりいきわたるようにする大切な作業だそうです。
でもですよ! どのニンジンを間引いたらいいものか?
小さいやつから間引くのか、バランスよく間引くのか…
みんなと一緒に悩んでいると
「こうやるんだよ!」と教えてくれた僕の師匠、心平くん(7歳)です。

さすが農家の子! 間引くスピードが違う! 次から次へと間引いていきます。
判断力の速さに感服いたしました!
けれども、様子をうかがっていると……。
すぐポン太「あれ? 師匠! この一帯がハゲてます!! 」

師匠「ん? 大丈夫!! ……あれ? 間引きすぎたかな?」
うっかり間引きすぎた場所を隠すように、間引いたニンジンを植えなおす師匠でした!
間引きが終わった後は、間引いたニンジンの双葉を取り除く作業。
葉と根の間に出ている2枚の小さい葉っぱ。
間引いたニンジンの葉っぱをおいしく食べるために必要な作業です。
双葉を取り除き束ねていくが、手元がおぼつかない僕。難しい!
「作業をするときはそろえておくときれいでかわいい」


「こうやってそろえておくと双葉を取りやすい、束ねたときにかわいいし美しい。
そのあと料理する時もラク。いいことばかりなんだよ」
青空のもと、たくさんの野菜たちに囲まれながらいい汗をかきました。
作業を終え、家に戻る時にふと振り返る。

自然が豊かな畑のあぜ道を、みんなが一列になりながら歩く姿は入場行進のように見えました。
ピッピ♪ピッピ♪
以上、農業体験が作り出す、佐賀のお山の体育祭でした!


<取材記者>
山本 卓
「佐賀のお山の100のしごと」記者/地域の編集者(地域おこし協力隊)
<取材記者>
山本 卓「佐賀のお山の100のしごと」記者/地域の編集者(地域おこし協力隊)
大阪府高槻市出身。10代のころから役者を志す。夢を叶えてCMや大河ドラマをはじめ映画や舞台で活動。劇団「ブラックロック」の主宰を経て、海外公演を自主企画で成功させる。その後、キー局情報番組のディレクターとして番組制作に携わる。夢は日本を動かした100人になること! 地域の人に密着した動画作成や、人の顔が見えるマップを作りたくて移住を決意

